「シーン」「キーン」――静かな部屋にいると、どこからともなく聞こえてくる音。私が耳鳴りを意識し始めたのは50代の頃でした。最初は「気のせいかな」と思っていましたが、だんだんと夜寝る前に気になるようになり、今では2週間に1回、耳鼻科に通い続けています。

この記事では、耳鳴りとは何なのか、私が実際に試してよかった対処法を、難しい言葉を使わずにまとめました。

そもそも耳鳴りとは?

耳鳴り(みみなり)とは、外に音がないのに耳や頭の中で音が聞こえる症状です。「キーン」「ジー」「シー」「ボー」など、人によって聞こえる音は様々です。

耳鳴りの多くは、加齢によって耳の奥にある聴覚の細胞(有毛細胞)が少しずつ衰えることで起こります。聞こえにくくなった音を補おうとして、脳が勝手に音を作り出している状態だと考えられています。

つまり、耳鳴りは「耳が鳴っている」のではなく、「脳が鳴らしている」のです。これを知ったとき、私は少し気持ちが楽になりました。

📌 耳鳴りと難聴の関係
耳鳴りがある方の多くは、自覚がなくても軽い難聴を伴っています。加齢による難聴(加齢性難聴)は高い音から聞こえにくくなるのが特徴で、「キーン」という高音の耳鳴りが多いのはそのためです。耳鳴りが気になり始めたら、一度聴力検査を受けてみるのをおすすめします。

こんな耳鳴りは要注意

耳鳴りの多くは加齢に伴うもので、すぐに危険というわけではありません。ただし、次のような場合は早めに耳鼻科を受診してください。

特に突発性難聴は、発症から2週間以内に治療を始めないと回復が難しくなると言われています。「なんか片耳がおかしいな」と感じたら、すぐに耳鼻科へ行ってください。

私が実際に試してよかった工夫

① 静寂を避ける(環境音を活用する)
耳鳴りは静かな場所ほど気になります。私はテレビやラジオを小さい音でつけておいたり、スマホで自然音(川のせせらぎ、雨の音など)を流すようにしています。音の「すきま」を埋めてあげると、脳が耳鳴りに集中しなくなります。寝る前にこれをやるだけで、ずいぶん楽になりました。

② 耳鼻科で処方してもらう
私は2週間に1回、耳鼻科に通っています。耳鳴りの薬と漢方薬を処方してもらっており、飲み始めてから波はありますが、ひどかった時期に比べると落ち着いています。耳鳴りの治療薬は人によって合う合わないがあるので、先生と相談しながら続けるのが大事です。

💊 耳鳴りに使われる薬の例
耳鳴りに対しては、血流を改善する薬(アデホスなど)、ビタミンB12(メチコバールなど)、漢方薬(牛車腎気丸、釣藤散など)が処方されることがあります。「これを飲めば治る」という特効薬はありませんが、症状を和らげる助けにはなります。処方は必ず医師の判断を受けてください。

③ 気にしすぎない練習をする
これが一番難しくて、一番大事かもしれません。耳鳴りは「気にする → 不安になる → もっと気になる」という悪循環に陥りやすいです。「この音は危険じゃない。脳が出しているだけだ」と自分に言い聞かせるだけでも、少しずつ慣れていきます。医学的にはこれを「TRT(耳鳴り再訓練療法)」の考え方といいます。

④ 疲労とストレスを溜めない
経験上、疲れているときや睡眠不足のときは耳鳴りがひどくなります。カフェインの取りすぎも影響があると言われています。完璧にコントロールするのは難しいですが、「最近耳鳴りがひどいな」と感じたら、まず休息を意識するようにしています。

⑤ ヘルストロン(電位治療器)を活用する
私が通っている耳鼻科にはヘルストロンが置いてあり、通院のたびに利用しています。電位治療器は体に微弱な電流を流す装置で、肩こりや腰痛、頭痛などの緩和を目的としたものです。耳鳴りに直接効くかどうかは医学的に確立されていませんが、全身の血行が良くなる感じがして、リラックスできます。耳鳴りは体の緊張やストレスで悪化しやすいので、こうしたリラックスの時間も大切だと感じています。

💡 補聴器で耳鳴りが楽になることも
難聴がある方の場合、補聴器で聞こえを補うと耳鳴りが軽減されることがあります。聞こえにくかった音が入ってくることで、脳が音を「作り出す」必要がなくなるためです。耳鳴りで困っている方は、まず聴力検査を受けて、補聴器が有効かどうか相談してみてください。

耳鼻科に行くべきタイミング

耳鳴りがたまに聞こえる程度なら、すぐに受診しなくても大丈夫です。ただし、以下のような場合は受診をおすすめします。

耳鼻科では、聴力検査(オージオグラム)で聞こえの状態を調べてくれます。耳鳴りの原因を特定し、自分に合った対処法を見つけるためにも、一度はプロに診てもらうのが安心です。

まとめ

耳鳴りは完全に消すのが難しい症状ですが、「付き合い方」を知るだけで日々のつらさはかなり減ります。まずは静寂を避けて環境音を活用すること、そして気になるなら早めに耳鼻科を受診すること。この2つから始めてみてください。

このサイトには耳鳴りに関するアプリもあります。自分の耳鳴りの音に近い周波数を確認できますので、よかったら試してみてください。

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筆者より
私自身も60代で耳鳴りがあり、2週間に1回耳鼻科に通院しています。この記事の内容は医療アドバイスではありません。気になる症状がある場合は、必ず耳鼻科を受診してください。