「マイナンバーカードをかざしてください」と病院の受付で言われて、ドキドキした経験はありませんか?2024年12月に従来の健康保険証が廃止され、マイナンバーカードが保険証の役割を担うようになりました。でも、使い方がよくわからないまま持ち歩いている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、マイナンバーカードの基本的な使い方から、マイナポータルの便利な活用法、iPhoneへの取り込み方まで、難しい言葉を使わずにわかりやすく解説します。
- 病院でのマイナ保険証の使い方(かざし方・認証方法・初めてのときの手順)
- マイナポータルでできること(医療費確認・年金記録・確定申告連携)
- 暗証番号忘れ・読み取りエラーなどトラブル時の対処法とiPhoneへの取り込み方
マイナンバーカードとは
マイナンバーカードは、12桁の個人番号(マイナンバー)が記載された、顔写真付きの公的な身分証明書です。運転免許証と同じように本人確認に使えるほか、健康保険証としての利用や、行政手続きのオンライン申請にも使えます。
カードに記載されている情報
- 氏名、住所、生年月日、性別
- 顔写真
- マイナンバー(12桁の番号、裏面に記載)
- ICチップ(電子証明書が入っている)
2つの暗証番号を覚えておく
- 利用者証明用パスワード(4桁の数字):病院での保険証利用やマイナポータルへのログインに使います。一番よく使う暗証番号です
- 署名用パスワード(6〜16桁の英数字):確定申告など重要な手続きに使います。使う頻度は少ないですが、忘れると再設定が必要です
病院での使い方(マイナ保険証)
2024年12月に従来の健康保険証が廃止され、マイナンバーカードが保険証として使われるようになりました。病院や薬局の受付に設置されたカードリーダーにかざすだけで、保険証の確認が完了します。
- 受付にあるカードリーダー(四角い読み取り機)にマイナンバーカードを置く
- 画面に本人確認の方法が表示される(「顔認証」か「暗証番号」を選ぶ)
- 顔認証の場合:画面のカメラを見つめるだけで完了(数秒で終わります)
- 暗証番号の場合:4桁の数字を入力して「確認」をタップ
- 「確認が完了しました」と表示されたらカードを取り出す
初めて使うときの注意点
- 初回は「医療情報の提供に同意しますか?」と聞かれることがあります。「同意する」を選ぶと、過去の処方薬や特定健診の情報を医師が確認でき、より適切な診療が受けられます
- 高額療養費制度の「限度額適用認定証」が不要になります。マイナ保険証を使えば、窓口での支払いが自動的に自己負担限度額までに抑えられます
マイナポータルでできること
マイナポータルは、政府が運営するオンラインサービスです。スマホアプリ(無料)をインストールして、マイナンバーカードで認証すると利用できます。
医療費の確認
過去の医療費(病院・薬局で支払った金額)を一覧で確認できます。確定申告で医療費控除を申請するときに、わざわざ領収書を集めなくてもここから確認できるので非常に便利です。
年金記録の確認
これまでの年金の加入記録や、将来もらえる年金額の見込みを確認できます。「ねんきん定期便」と同じ情報がいつでも見られます。
処方薬の履歴
過去に処方された薬の名前・量・日付が確認できます。「前に飲んでいた薬の名前を忘れた」というときに便利です。
特定健診の結果
健康診断(特定健診)の結果を過去にさかのぼって確認できます。
- App Store(iPhone)またはGoogle Play(Android)で「マイナポータル」アプリをインストール
- アプリを開いて「ログイン」をタップ
- 4桁の暗証番号(利用者証明用パスワード)を入力
- マイナンバーカードをスマホの背面にかざす(iPhoneは上部、Androidは背面中央付近)
- 読み取りが完了するとログイン成功
確定申告での活用
マイナンバーカードがあれば、確定申告をスマホだけで完結できます。特に医療費控除の申告が格段に楽になります。
マイナポータル連携のメリット
- 医療費のデータが自動で取り込まれるので、領収書を集めて計算する手間がなくなる
- ふるさと納税の寄付金控除も自動連携に対応(対応サイト利用時)
- e-Tax(電子申告)にマイナンバーカードでログインすれば、税務署に行かなくても申告完了
→ 医療費控除の詳しい解説は「年金暮らしの節約術」記事でも紹介しています
よくあるトラブルと対処法
暗証番号を忘れた
市区町村の窓口で再設定できます。本人がマイナンバーカードを持って行く必要があります。代理人が行く場合は、委任状と代理人の本人確認書類が必要です。
暗証番号がロックされた
3回連続で間違えるとロックされます。市区町村の窓口でロック解除と再設定ができます。
病院のカードリーダーで読み取れない
カードの向きが違う場合があります。カードの表面(顔写真がある面)を上にして、読み取り機の所定の位置に置いてください。ICチップの汚れや傷が原因の場合もあるので、カードは丁寧に扱いましょう。
有効期限が切れていた
マイナンバーカードの有効期限は、発行日から10回目の誕生日まで(18歳未満は5回目)。電子証明書の有効期限は5回目の誕生日までです。有効期限の3か月前から更新手続きができます。市区町村から届く通知に従って手続きしましょう。
2020〜2021年のマイナポイントキャンペーン(最大2万円分)をきっかけにカードを作った方は、電子証明書の有効期限が2025〜2026年に集中しています。
電子証明書の期限が切れると、e-Taxでの確定申告ができなくなります。更新には市区町村の窓口に行く必要があり、混雑時は更新完了まで数週間〜1か月かかることも。確定申告の期限ギリギリに気づいたら手遅れです。
電子証明書の有効期限は発行日から5回目の誕生日です。マイナポータルアプリの「マイナンバーカード」メニューから有効期限を確認できます。誕生日の3か月前になったら早めに更新手続きをしましょう。また、毎年1月に有効期限を確認する習慣もおすすめです。確定申告シーズン(2〜3月)にe-Taxを使おうとしたら期限切れだった、では間に合いません。1月のうちに確認しておけば、万が一期限切れでも更新が間に合います。
マイナポータルでカードが読み取れない
スマホのNFC(近距離無線通信)がオフになっている可能性があります。iPhoneは常にオンなので問題ありませんが、Androidは「設定」→「接続」→「NFC」をオンにしてください。また、スマホケースが厚いと読み取れないことがあります。
スマホへの取り込み方(iPhone・Android)
マイナンバーカードの機能をスマホに取り込めば、カードを持ち歩かなくてもスマホだけで保険証として使えます。実はAndroidの方が先に対応しており、2023年5月からサービスが始まっています。
Android(2023年5月〜)
- マイナポータルアプリを最新版に更新する
- アプリを開いて「スマホ用電子証明書の申請」に進む
- 4桁の暗証番号と署名用パスワード(6〜16桁)を入力
- マイナンバーカードをスマホの背面中央付近にかざして読み取る
- 画面の案内に従って設定を完了
対応機種は585機種以上。主要メーカー(SHARP、Sony、Samsung、Google、京セラなど)が幅広く対応しています。2026年秋にはGoogleウォレット連携など機能がさらに強化される予定です。
iPhone(2025年6月〜)
- マイナポータルアプリを最新版に更新する
- アプリを開いて「スマホ用電子証明書の申請」に進む
- 4桁の暗証番号と署名用パスワード(6〜16桁)を入力
- マイナンバーカードをiPhoneの上部にかざして読み取る
- 画面の案内に従ってAppleウォレットに追加
対応機種はiPhone XS以降(iOS 18.5以上)。Appleウォレットに登録され、Face IDやTouch IDで認証できます。
スマホに取り込むメリット
- カードを持ち歩かなくても、スマホだけで病院の受付ができる
- 生体認証(顔認証・指紋認証)で本人確認できるので、暗証番号の入力が不要
- カードの紛失・破損のリスクが減る
注意点
- すべての病院・薬局がスマホでの受付に対応しているわけではありません。初回は念のためカードも持っていきましょう
セキュリティの不安に答える
「マイナンバーカードを落としたらどうしよう」「悪用されないか心配」という声をよく聞きます。落としただけで悪用される可能性は非常に低いですが、もちろん落とさないに越したことはありません。大切な身分証明書ですので、しっかり管理しましょう。
万が一落としても悪用されにくい理由
- ICチップの情報を読み取るには暗証番号が必要
- 暗証番号を3回間違えるとカードがロックされる
- マイナンバー(12桁)は裏面に記載されていますが、番号を知られただけでは悪用はほぼ不可能です(手続きには必ず本人確認が必要)
- ICチップには、税金・年金・口座残高などの個人情報は入っていない
紛失した場合の対処法
- マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)に電話して、カードの一時停止を依頼する(24時間対応)
- 最寄りの警察署に届け出る
- 市区町村の窓口で再発行の手続きをする(再発行には約1か月かかります)
家族がやってあげること
マイナンバーカードの設定や活用は、ご高齢の方にとってハードルが高いものです。ご家族の方が一緒にやってあげることで、安心して使えるようになります。
初期設定を手伝う
- マイナポータルアプリのインストールと初回ログイン
- スマホへの取り込み(Appleウォレット / マイナポータルアプリ)
- 保険証としての初回利用の付き添い
暗証番号を一緒に管理する
- 4桁の暗証番号と署名用パスワードを紙に書いて、安全な場所に保管
- 暗証番号は3回間違えるとロックされるので、「わからないときは無理に入力しないで電話してね」と伝えておく
定期的に確認してあげる
- カードの有効期限(電子証明書は5年ごとに更新が必要)
- マイナポータルアプリが最新版かどうか
- 病院で問題なく使えているかどうか
一緒に病院に行ってあげる
初めてマイナ保険証を使うときは、一緒に病院に行って操作を見守ってあげるのが一番安心です。一度成功すれば自信がつき、次からは一人でもスムーズに使えるようになります。
まとめ
マイナンバーカードは「持っているだけ」ではもったいない。保険証として、確定申告のツールとして、年金記録の確認に。使いこなせば日常がぐっと便利になります。
今日からできること
- 自分の4桁の暗証番号を確認する(わからなければ市区町村の窓口で再設定)
- 次の通院時に、マイナ保険証を実際に使ってみる(顔認証が簡単でおすすめ)
- マイナポータルアプリをスマホにインストールしてみる
最初は不安でも、一度使ってみれば「こんなに簡単だったのか」と感じるはずです。わからないことがあれば、ご家族に設定を手伝ってもらいましょう。