2026年は介護保険制度にとって大きな変化の年です。介護報酬の臨時改定(6月)と介護情報基盤の運用開始(4月〜)という2つの大きな動きがあり、利用者にも影響が出ます。
この記事では、介護サービスを利用しているご本人やそのご家族が知っておくべき3つの変更点を、利用者目線でひとつずつ確認していきましょう。
- 2026年6月の介護報酬臨時改定で、利用料がどう変わるか
- 介護情報基盤の開始で、利用者にどんなメリットがあるか
- 施設の食費が8月から1日100円引き上げられる背景と対策
2026年介護保険改正の全体像
介護保険制度は通常3年に一度の見直しが行われますが、2026年は通常の改定サイクルとは別に、臨時の介護報酬改定が実施されます。理由は、介護の現場で働く人が足りなくなっているからです。
- 2026年4月〜:介護情報基盤の運用開始(準備が整った自治体から順次)
- 2026年6月:介護報酬の臨時改定(処遇改善に特化)
変更点①介護報酬の臨時改定(6月)
介護報酬とは、介護サービスの「値段」のことです。利用者が支払う自己負担額(1〜3割)は、この介護報酬をもとに計算されます。
今回の臨時改定の最大の目的は介護職員の賃金を引き上げることです。介護職員の給与は他の産業に比べて低く、人手不足が深刻化しているため、処遇改善に特化した異例の改定が行われます。
変更点②介護情報基盤の運用開始(4月〜)
介護情報基盤とは、介護に関する情報を電子的に共有できる新しい仕組みです。2026年4月から、準備が整った自治体から順次運用が始まります。
これまで、医療機関や介護事業所ごとに同じ内容を何度も聞かれるという経験はありませんか?介護情報基盤が整備されれば、関係者間で情報が共有され、こうした負担が軽減されます。
- 利用者のメリット:病院や介護施設を変わるたびに、同じ説明を繰り返す必要が減る
- ケアの質の向上:過去の介護記録や医療情報が共有されることで、より適切なケアを受けられる
- 本格運用は2028年4月:2026年は準備段階で、全自治体での本格運用は2028年4月からの予定
変更点③施設の食費が1日100円引き上げ(8月〜)
介護施設(特別養護老人ホームなど)に入所している方の食費の基準費用額が、2026年8月から1日あたり100円引き上げられます(1,445円→1,545円)。物価高騰により施設の食材費が上昇していることが背景です。
月額にすると約3,000円の負担増となります。
そもそも介護保険とは?基本の仕組み
「まだ介護は関係ない」と思っている方も、基本だけは知っておきましょう。いざというとき慌てずに済みます。
- 対象者:40歳以上の方が保険料を支払い、65歳以上(第1号被保険者)で介護が必要になったときにサービスを利用できます
- 利用の流れ:市区町村に申請 → 認定調査 → 要介護度の判定 → ケアプラン作成 → サービス利用開始
- 自己負担:利用したサービス費用の1〜3割(所得に応じて)
- 相談先:お住まいの地域包括支援センターが窓口です。「介護が必要かも?」と思ったら、まずここに相談しましょう
- 訪問介護(ホームヘルプ):自宅にヘルパーが来て、食事・入浴・掃除などを手伝う
- 通所介護(デイサービス):施設に通い、食事・入浴・レクリエーションを受ける
- 福祉用具の貸与・購入:車いす、手すり、介護ベッドなどのレンタル・購入
- 住宅改修:手すりの設置、段差解消など(上限20万円)
- 施設入所:特別養護老人ホーム、介護老人保健施設など
まとめ
2026年の介護保険改正は、利用者にとって大きな変化ではありませんが、知っておくべきポイントがあります。
- 介護報酬の臨時改定(6月):介護職員の処遇改善が目的。利用者の自己負担はわずかに上がる可能性
- 介護情報基盤(4月〜):情報共有の仕組みが整い、同じ説明を繰り返す負担が減る
- 施設の食費引き上げ:1日100円(月約3,000円)の負担増。低所得者向けの軽減制度あり